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【神戸チーム】「みらいへ」乗船報告。講師、他のチームから学んだこと

前半組と後半組が合流したところでチーム写真!
前半組と後半組が合流したところでチーム写真!

神戸チームからは、以下のメンバーが「みらいへ」に乗船しました。

前半:ばちゅこママ、あんとも

後半:セイジ


中間発表の資料を作ってくれたファシリテーターのかまくらさんは残念ながら

陸でお留守番でした…


前半と後半の内容をまとめ、神戸チーム全体として以下報告をいたします。


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(1)

  • 水中考古学の専門家が遺物を探索する際の具体的手法

    各種ソナーや磁気探査、フォトグラメトリー(写真から3Dモデルのデータを生成する技術)など、それぞれの技術が持つ特性を活かし、複数の手法を組み合わせることで

    遺物の詳細を調べることができる。

    具体的な現在の調査方法に関し、映像や寄港時に水中ドローンの実演などを交えて、

    それぞれの先生が普段どんな調査をされているか、水中文化財の調査と保存について「どのようなことなのか」を理解を深めることができた。


  • 発展した港が持っていた性格の重要性

    大きな船が入ることができる、賓客をもてなすことができる、潮の動きを待つことが

    できるなど、港が発展する理由となる性格(条件)が必ず存在する。チームのテーマとして掲げている神戸の発展の歴史を考察する際にも有用な視点である。


  • 見つかった物からの地域性・歴史の読み解き

    祭祀に関連する遺物から分かる遣唐使とのつながり、帯金具から分かる役所の存在、

    海由来の焼き物「海揚がり」など、発見された物からその地域の特長や歴史を読み解くことが可能である。例えば神戸に被害をもたらした水害の歴史に関しての考察を

    遺物から深めることも手法の一つとなり得るのではないか。


  • 法律に基づく様々な物の保護

    様々な物が法によって定められているが、例えば経済的な法規制が自然環境や文化財の保護も踏まえたものである必要性を身近に捉えることができた。

    昼食時、食品衛生法の改正で、農家の少量生産の漬物が道の駅で販売できなくなった

    話が話題になったが、法律一つで文化が消えてしまうことや残ることがあると思うと、法律が目的以外のものにも大きく影響していることの一例として捉えることも可能。


水中考古学の専門家が遺物を探索する際の具体的手法

(2) 学んだこと

  • チーム内での支え合い

    年齢や経験も異なる多種多様なメンバーと一緒に活動することの大変さがそれぞれある中でも、各メンバーが得意なことを担い、個人差をカバーし合っている温かさに

    感心させられた。


  • チーム自身の盛り上げ

    本当に様々な年齢、仕事、経験を持った人が集まっているプロジェクトであり、

    多様性に富んだ人間が目標へ至る過程では、チーム自身を自分たちで盛り上げて

    いくことも重要である。


  • 実際に体を動かすアプローチ

    山口チームの土井ヶ浜遺跡に関する発表にあった「昔のように土井ヶ浜から船で

    海へ出てオール(櫓)をこいでみる」というものに興味を持った。

    神戸チームはテーマが決まったところで、今は主に文献を読むことを中心にテーマに

    関しての理解を深めている段階であるが、調査の過程で必要に応じて実地調査を

    行うことも視野に入れたい。


  • 瀬戸内海 unites us all

    日宋貿易や村上海賊など、複数のチームで同じトピックに注目して調査を行っている

    ケースが見られた。当然のことではあるが、行政区分とは関係なく、人やモノ、

    歴史が海を介して動いているということを改めて認識した。



(3)今後のチームの活動で生かしたいこと・心掛けたいこと

  • 興味を持ってもらえるストーリー作り

    単に調べて新しく分かったことをまとめるのではなく、先行研究などの参考に仮説を

    立て、それを検証して真偽を明らかにするというように、結論だけではなく、

    どのようなプロセスをたどった研究プロジェクトなのかも伝わるようにする。


  • 相手の立場を理解しての調査

    高橋先生の海堡保存の講義を通じ、保存や調査に際して各関係者の立場が異なることに気づかされた。今後調査で聞き取りなどを行う時には、それぞれの立場を考えながら

    調査を進めていく。


  • チーム内の相互理解

    今回のプロジェクトに参加した動機がそれぞれあるように、各メンバーが興味を持ったストーリーの仮説を検証するプロセスの中で、お互いの興味を相互に理解しながら

    結論を導き出していくことが必要である。


  • 支え合いながら自分の役割を果たす

    お互いに分からないことを伝えて協力し合いつつ、自分ができることをスケジュールに沿って進めていく。

船内を移動するたびに蘇る20年前の「帆船あこがれ」の記憶

(4)その他感想など

  • どのチームも同じようにテーマ設定やプロジェクトの進行に暗中模索していることが

    分かった。今後チームを超えて知見を共有するなど連携していきたい。


  • 専門分野について説明された先生方の熱量の凄さに圧倒された。研究対象への愛が

    伝わってきた。


  • 映像や噛み砕いた説明は理解しやすかった。専門用語を理解するために手元に

    講義資料があればより理解が深まった。


  • 講師の先生や他のチームのメンバーなど、個別に話ができる時間がもっとあれば

    より実りが多くなったと思う。


  • 乗船して、船内を移動するたびに20年前の「帆船あこがれ」の記憶がよみがえって

    きて、乗船前に気付いていればもっとよかったなぁと思うことがたくさんあった。

    帆船なので、潮流や風速を観測しながら操船していたこと。せっかく瀬戸内航路で

    航海できたので、昔の船がどんな感じで、航海していたのか、エンジンや

    帆走を停止して、潮流だけで動いたらどんなスピードたったのか、加えて帆走したら

    どんなスピードだったのかなど帆船ならではの実験ができたのではないかと思うと

    少し残念である。帆走時の「みらいへ」の航海データなどが提供いただけると、

    各グループの資料になると思う。


  • マグロの種類もたくさん知ることができました(笑)


  • ちょっと、水中文化遺産のイタズラ的な広報ですが、職場の待合に置いている絵本にランディ先生の絵本を加えてみました(笑)


限られた時間ではありましたが、他のチームの皆さんとの交流は非常に有意義でした。

他のチームの皆さんとの交流

最後になりましたが、中田先生はじめ素晴らしい講義をしてくださった先生方、他のチームの皆さん、「みらいへ」クルーの皆さま、その他今回のプログラムを支えてくださっている皆さま、本当にどうもありがとうございました!


作成者:あんとも

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