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【帆船みらいへ】乗船された皆さまへ

更新日:2月17日


事務局より帆船みらいへに乗船された皆さまへ

各先生方からのメッセージをお届けします。


代表者 中田 達也 【前半・後半】


帆船「みらいへ」に乗船して

 何よりも帆船「みらいへ」のスタッフの方々、ゼリジャパンの方々、そして笹川平和財団の小原さま、貴重な機会を与えて下さいまして、心より御礼申し上げます。私にとって今回の航海で嬉しい驚きは大きく分けて3つございました。第一に、今回は初めて各チームが一同に会する場面でしたが、実際に発表を聴いておりますと、チーム同士で示し合わせた訳でもないのに、共通する関心を持っているケースが複数あったことです。これは、私たちが目指す「瀬戸内海を一つの海として」考える視点からは極めて重要なことであったと思います。このことの付随的効果として、共通項をもったり、関心を抱いたチームのメンバーと情報を交換した方も出たことでしょう。第二に、陸上と異なり、海の上は比較的島の位置など古来よりそのままの姿であることが確認でき、重要な水中遺跡については都度甲板に出て、考古専門家の説明をした上で見学に臨めたことです。そして第三に、スコットランドから来神されたロバート・ゴードン大学のレオン・モラー教授が─大分大学の矢野先生の通訳のお蔭で─大変深い興味を持ち、とりわけ村上海賊に関してはもっと深く知りたいので、参加市民のレジュメを見たいと仰ったことでした。事故なく今回の旅を終えられて、この航海がこれからの調査研究活動を進める新たな動機づけになることを切に願っています。



水中考古チーム 吉崎 伸 【前半組】


①    各チームの報告について

 各チームの報告に関しては、いまだ研究テーマの定まっていないところや研究が進み始めたところなど進捗状況に差が見られました。どのチームも他のチームの進捗状況が気にかかっていたようで、遅れているチームはやや焦った感じが見受けられました。ただ、皆さん積極的に他チームの研究テーマや手法を理解しようとしている姿勢が見られました。特に研究手法で新たな報告(古文書の読み方)があった部分では興味を引かれたようです。


②    各講師の講義について

 講義内容が整理され、わかりやすく解説されて理解しやすかったという意見がある反面、専門用語が多くて理解できない部分があったという意見も散見しました。多彩な年齢や職業によって構成されている参加者であるため、ある程度は致し方ない部分だと思います。また、今回の講義内容を参加していないメンバーにも聞かせてあげたいという意見がありました。今後、講義を配信できるようにすることができればよいのではないでしょうか。


③    船上生活について

 皆さん船酔いを心配されている方が多かったですが、前半は波も穏やかで、心配するほどでもなかったようです。帆を張る作業や甲板掃除などの体験は皆さん興味深かったようで、

また是非乗船したいとおっしゃられる方が大勢いました。


④    プログラム全体について

内容が多すぎて忙しなかったという意見がありました。せっかくの瀬戸内航海なのに、大半が船内での発表や講義に使われ、船上から瀬戸内を観察する時間は限られていたのが残念という声もありました。さらに、他チームとの交流の時間が少なく、もっと交流を深めたかったという意見もありました。

 

 以上、項目ごとに意見をまとめてみました。全体として参加メンバーの多くは積極的に各プログラムに取り組んでいただき、チーム同士のつながりもできたところも多かったようです。これは今後、瀬戸内を全体と一つとしてとらえるとき有効に機能するのではないでしょうか。ただ、私としては、今回のプロジェクトは少し欲張りすぎた内容だったのではないかと思います。一泊二日(実質的には1日)の工程は、少しもったいなかったようにも思います。いずれにせよ、これだけ多彩なメンバーが集って行動し、何事もなく終えることができたことは大きな成果だと思います。



水中考古チーム 石原 渉【後半組】


 私は、岡山県宇野港から兵庫県姫路港までの後半の航海に乗船した。定刻に宇部港を出港した船は、船上から「水の子岩」「太多府島」「室津」を見学する予定が組まれており、その解説を私が任されていた。最初の目的地である「水の子岩」には、夕闇が迫る時間帯に到着、ようやく海上に露出した水の子岩の灯標が見える程度で、海底下に広がる水中遺跡に関する資料なども事前に配布し、甲板のマイクで解説を行ったが、暗闇の海上しか見えない有様では、参加者には分かりづらかったと思う。すなわち岩上で点滅する灯標を見せた段階で、船内に戻り、用意した資料を元に説明を聞いた方が良かったのではないかと思われる。

次に、これまでオンライン会議でしか顔を合わせる機会が無かったチームメンバーと、今回の乗船体験を通して、実際に顔を合わせることが出来、其々の距離がより縮まったように思われる。またチームメンバー同士の交流だけでなく、他のチームの人たちとの交流や情報交換が活発に行われ、他のチームの研究内容や方法を学び得たことは、チームを超えた交流に一役買ったように思う。

 

 最後に、今回は12のチームの研究目的、そのための方法論、現在の進行状況などを中心として、各チームが発表する形式をとったが、ディスカッションの時間が無かったことが残念だった。今後ともこのような交流の機会を設けることによって、各チームの研究に弾みがつくように思う。また、今回、様々な理由で参加できなかったメンバーも、オンラインで参加する機会が与えられていれば、更によかったのではないと思った。



水中考古チーム 木村 淳


「市民科学が導く持続可能な海洋文化遺産調査と持続可能な保全への期待」


 シティズンサイエンス=市民科学の学術探求における重要性が問われる時代となっています。「みらいへ」発表に関わった皆さんは、海洋文化遺産学史に新たな足跡を刻んだのではないでしょうか。考古学は社会への訴求力が高い学問です。これまで野尻湖発掘、登呂遺跡、月の輪古墳など、学者の手を離れた考古学が成果をあげてきました。近年、考古学と社会の関係性を重視するパブリック・アーケオロジーを考古学者自らが模索しています。私自身も石垣島屋良部海底遺跡を対象に、地域のダイビングショップや高校が遺跡との結びつきを強めるような活動を行ってきました。


 陸上や水中遺跡は、災害や開発から守られるべき共有財産(文化財)として法的に保護され、大学研究者や考古学者はその実現のため調査や活用に取り組んできました。開放された遺跡や遺産が共有財産ならば、その評価の過程や価値づけの発信で、市民が主体となるかたちがあっても良いと考えます。瀬戸内海海揚り陶磁器の講義を熱心に聴講してくださった「みらいへ」乗船者皆さんの発表の高度な内容、準備への熱意と真摯な取り組みは市民科学の潮流が海の文化遺産研究にも及んだとハッキリと感じるものでした。



水中考古チーム 佐々木 蘭貞【前半・後半】


 前半・後半を通して乗船してみて一番印象的に感じたことは、両日で雰囲気がだいぶ異なっていた点です。前半は、成果やこれまでの作業などについては断片的に触れながら、このプロジェクトに対する思いなどを語っていました。後半は、しっかりと成果や今後の方向性などを真剣に考えていた人が多かったです。ただ、その後にメンバーと話したところ、どちらも有意義な時間であったとの印象を受けていたようです。それぞれ補完しながら一つの形になっていく過程を見ることができたと思います。


 今回の企画で有益だと思ったのは、メンバー同士の直接的な交流が生まれたことです。やはり、オンライン会議などでは伝わりにくい感情や人の持つ雰囲気が感じられたのは大きな意味を持つとあらためて確認しました。その後も交流を持っている人もいるようで、ラインなどの書き込みも、連絡事項中心の硬い文章から柔らかく親しみやすい情報交流の場に変わっています。オンラインの会合も、活発な意見が聞かれる環境に変わりました。前半後半の入れ替えでメンバーが一堂に集まることができた点も大きかったと感じています。



領海内法検討チーム 中原 裕幸【前半】


~横浜港で邂逅、11月下旬に船内レク、各地区代表の発表に感銘~


 私が初めて同船と接したのは9月19日で、横浜港で下見した時だった。同じ横浜港にある帆船「日本丸」は貴婦人と言われるが、「みらいへ」は庶民的で親近感が湧いてくる帆船だ。そして11月29日(金)、前半の航海に尾道港から小野港まで乗船し、「領海・内水など法律上の海域区分のお話し」と題する船内レクチャーをさせていただいた。ずいぶん堅いテーマだが、できるだけ分かりやすくと中田先生に繰り返し言われていたので、代議士先生にレクするときは中学生でも分かるようにとの格言があり、それで行きます、と同先生に伝えておいた。この格言は、代議士先生を揶揄するものではなく、本質をシンプルに表現することこそが肝要だということである。船内では、愛媛、広島、香川、大分、徳島、兵庫、和歌山の各地区からの幅広い年齢層からなる代表チームの発表があったが、地元の水中文化遺産に関する内容を実に分かりやすく発表していて大いに感銘を受けた。これを機に水中文化遺産に関する興味と関心が広く浸透していくことを期待したい。



領海内法検討チーム 來生 新【後半】


 私は後半の、宇野と姫路の間で乗船しました。一日弱皆さんとお付き合いした感想をまとめます。

 参加者が多様だったことが最大の印象です。小学校4年生から、高校生、多様な年齢層と職業の社会人、中には弁護士さんもいらっしゃった。当然に水中遺跡に対する関心のありようや、知識の程度も違い、各県ごとにこれを一つの関心にまとめ、テーマを絞るのは大変であろうと思いました。

 また、それぞれの関心が異なるにせよ、皆さん大変にまじめに水中遺跡の問題に取り組んでおられることも印象に残りました。それだけにそれぞれの県のグループの指導をされておられる先生方のご苦労もさぞかし大変であろうと推察をした次第です。

 それぞれのグループの本格的活動の展開はこれからになると拝察をいたしましたが、それだけに今後の各グループ内での意見のとりまとめに当たられるメンバーの方の意見集約や、共同で行う作業の実施にあたってのリーダーシップの発揮の仕方が、各グループの成果に大きな影響を与えるであろうと感じました。皆さまの今後のご健闘を祈念いたします。



領海外法検討チーム 吉原 司【後半】


 参加市民について最も印象に残ったことは、調査の進行具合および発表・報告への慣れの程度に、相当の差異が見受けられた、ということである。

 市民による、シンポジウムでの発表・(必ず実施されるわけではないとしても)万博での発表が控えているなか、日頃からというのは困難であろうが、レポートのような書面作成に類する作業、発表といった作業について、練習を重ね、場慣れしておく必要性を感じた。

 そもそもグループが固定化されるのに長い時間が必要とされ、固定化されつつあるなかでも、グループ内でのコミュニケーションが不足したことも想像されるため、これらの原因を市民の側だけに求めるのは妥当ではない。

 参加した市民自体には、多種多様な人選の結果が反映しているという印象であった、もっとも、市民ごとの距離感はさまざまで、そのような距離感を縮めるという意味では、今回のような機会設定が適切であったように思われる。

 上記の発表に関わる練習の機会という意味も含め、万博やシンポジウムの前に、対面・オンラインによる市民による接触の機会が複数回設定されるのが望ましいように思われる。



KOBEC 石橋純一郎【前半】


 このたび「みらいへ」航海前半(尾道~宇野)に乗船させていただき、様々な貴重な体験をすることができました。航海の実現に携わっていただいた方々に深く感謝いたします。

 私にとって印象深かったのは、研究の進め方あるいは知を産み出すプロセスの進め方でした。プロジェクトに参加された市民の皆さんの発表を聞いていると、実に多様でありまた自由な発想に基づいて調査・研究を進めているということを感じました。自然科学系の研究者である私どもは、何よりもまず科学的思考法を身に着けてもらうことを重要視するのですが、それに囚われすぎてワンパーンな指導になっているのではないかと反省させられました。近年大学で良く言われる「学問の社会への還元」あるいは「文理融合」といった掛け声の中身を深く考える機会にもなりました。


 一つ残念だったことをあげるとすると、帆船に乗船して一夜を過ごしたにもかかわらず、船や海のことを考える時間が少なかったように思えたことです。水中文化遺産の存在の背景には、船を使って人や物が海上を往来しているということがあります。そのごく一部が不本意ながら動けなくなってしまったものが、後世に遺跡として残っているわけです。今回の乗船で、本プロジェクトに参加されている方には海での活動を日常とされている方が思ったより多いということを知り心強く思いました。逆に不安な気持ちいっぱいで初めて乗船し一夜を過ごしたという皆さんは、その貴重な体験をもとにして、遺跡となる前の船のことに想像力を広げ、また海についてもより深い関心をもっていただければと思います。



事務局長 戸村裕行【後半】


 今回、帆船「みらいへ」に後半乗船させていただきました。乗船前には、事務局として担当の南出さんと一緒に、皆さんの乗船希望から乗船に至るケアまでさせていただきました。また、みらいへの「しおり」に関しても、少しでもワクワクしていただけるように作成、船内プログラムにおいては、主役である皆さんの中間発表を中心に、各先生方や講師の方々にもお願いし多彩な内容で構成させていただいたつもりです。現在、みらいへ乗船後の感想や課題など多くの意見が集まって来ています。「様々な話が聞けて楽しかった」「他のチームの内容が聞けて良かった」「横の繋がりができたのが嬉しかった」という言葉以外にも「もっと違う内容の話が聞きたかった」「みらいへを使う必要があったのか?」など多くのご意見もいただいております。それらの内容を真摯に受け止め、今後も皆さんのサポートや運営に尽力をしていかなければならないと感じている次第です。


 事務局として、まだ短い時間ではあるものの皆さんとやりとりをさせていただき、当初であれば「年齢・知識・温度差」に不安を抱いていたものが、最近は「まとめることの難しさ。」各々仕事や家庭、学業がある中での「時間」を合わせることの難しさ。さらには各々やりたいことがある中で「テーマ」をまとめることの難しさ。少しずつ論点も変わってきたように感じています。今回の「みらいへ」乗船にあたり、初めてメンバーが顔を合わせたチームもあったと聞きました。その中でも、少しでも自身のチームメンバーだけではなく「神戸大学海洋文化遺産プロジェクト」のメンバーとして親睦を深め、自身のチーム以外とも交流を持ってもらえるような場になってくれていたのなら幸いです。


 前半においては、先生方のテンションがとても高かったと聞きました。その結果、良くも悪くも時間の配分がうまくいかずに準備していたいくつかの講義が流れてしまったという話がありました。逆に後半は私が乗船し、時間のコントロールをさせていただいたことで時間配分はうまくできたのですが、比較的淡々と進めてしまったのかもしれません。皆さんにとって「どちらが良かったのか」というのは運営側としては非常に悩ましい問題です。皆さんがオンライン会議をして議論するのと同じように、私たちもどのようにしていけばチームの和、そして議論が深まるかというのを常に考えながら行動をしており、共に成長していけたらと思っております。最近ではホームページにも「みらいへ」関連の投稿が増え、大変楽しく感想を読ませていただいていますが、投稿が増えていくにつれ、各チーム、各人ごとに個性というのが徐々に出てきたと感じています。個人で投稿をしてくださっている方もいれば、チームとして充実した投稿をされているところ、まだそこまで手が回っていないのか、投稿がうまくいかないところもあるようです。プロジェクトを参加するにあたり、「プロセス」を重視しているという話は皆さんも耳にタコができるくらい聞かされたと思いますが、(もちろんホームページでの公開が全てではありません。)今、どのようなことをしているのかということはオンライン会議や現地調査だけで完結せず、それらが周知・公開されていくことが私たちの願いです。


 私自身としては、今回、多くの先生方に講義をしていただいたことで自分自身のお話をする機会を作れませんでした。後半、吉原先生の計らいで下船間際に5分ほどお時間をいただいたのですが、写真に歓声が上がり、「もっと見ていただく機会があれば良かった」と自分で時間割を考えたとはいえ、少し後悔をしています。ぜひどこかで今後、時間を作れたらと思っています。私たち運営側も皆さんと共に知識を深め、さらにコンテンツを充実させていけるよう努力して参ります。ぜひ海洋文化遺産、水中遺跡を自分の周りだけではなく、後世にも残していけるよう活動していきましょう。引き続きよろしくお願いします。



運営委員 道谷卓 


 帆船「みらいへ」の2泊3日のプログラムが無事終了しましたこと、中田先生をはじめ参加されたみなさまに対し、運営委員として感謝申し上げます。私も「みらいへ」へ乗船し、市民参加のみなさまのこれまでの活動を直接お聞きしたかったのですが、日程が合わず残念でした。各チームとも、それぞれに地域において担任の先生の助言のもと、主体的に活動している様子は、ホームページの報告等で十分に伝わってきております。ただ、各チームの横のつながりの構築についてまでは、十分に出来ていなかったように思います。本プログラムの報告を拝見し、普段は個々に活動されている市民参加のチームの方々が「みらいへ」で一堂に会して、帆船という一つの空間の中に各チームが集まり、寝食を共にして、お互いのこれまでの活動を確認しあい、各チーム内のみならずチーム全体の親睦を深めることができたことは、大きな成果ではないでしょうか。

各チームが、今回の「みらいへ」での活動をステップにして、それぞれが立てた目標に向けて、さらなる展開へと進むことを運営委員として期待しています。



運営委員 狩野啓子


 神戸大学海洋文化遺産プロジェクトの目玉行事である「帆船みらいへ」乗船が叶ってラッキーでした。多くのボランティアの方々とお話しできて、いくつか印象的なことがありました。一つは、小学生・中学生・高校生が何人か参加されていて、最初は緊張気味でしたが、すぐに馴染んで、地域の壁を越えて仲よくなっていたことです。一方では、80代の参加者もおられて、お話の面白いこと! 若い漁師さんと息の合うチームになっていました。また、ある県のファシリテーターの方からこのプロジェクトのバッジをいただき、嬉しいやら恐縮するやら。自腹でも作りたかった熱心さに感心しましたが、手続きを踏んで本部にシンボルマークを使用する許可を得て作成されたかが、気になりました。 私の一番の関心事は、このプロジェクトがどのように運営されているのかということです。市民の方々の、最初の緊張、次第に打ち解けていく様子、グループを越えた楽し気な語らい、などを嬉しく眺めていました。専門的な講義を皆さん食い入るように聴いておられましたね。各グループの発表も、充実していました。とまどいや課題への言及が多かったのも、よかったです。「市民が協力して海洋知を高める」という主旨が、次第に共有されてきたようです。



事務局  南出貴代


 帆船みらいへで、オンライン上でしか会えなかったメンバー同士が、直接顔を合わせながら楽しそうに絆を深められたことをお聞きしました。それぞれのチームが研究の現状を共有し、互いのアイデアに触発されながら、さらに研究への意欲を高めている様子もとても印象的でした。また、未成年メンバーの方々が修学旅行のように楽しんでいたという微笑ましいエピソードも伺い、イベントをきっかけに今後の活動に弾みがつけばと思っています。

 プロジェクトがスタートして以来、その進展を日々見守ってきました。この取り組みは、さまざまな背景を持つ方々が水中文化遺産という共通のテーマのもと集まり、新たな発見やつながり、心に響くストーリーを生み出そうとする、とても興味深いものだと思います。ゼロからのスタートで多くの困難もありましたが、メンバーの皆さんが試行錯誤しながら努力を重ね、新しい挑戦を続けている姿には、いつも心を動かされています。特に、ボランティアとして時間や労力を惜しまず取り組むその情熱はすごいと思っています。

 水中考古学という分野は、まだ広く知られているとは言えません。しかし、このプロジェクトを通じて、海に秘められた物語やその価値をもっと多くの方々に届けて、それが私たちの暮らしや歴史にどのようにつながっているのかを知るきっかけになればと願っています。

私は主に後方支援を担当していますが、動画やブログを通じてメンバーの皆さんの笑顔や活動の様子に触れるたび、まるでその場で応援しているかのような気持ちになります。これからも仲間の皆さんが、プロジェクトを通じて多くの経験を積み、それぞれの目標に向かって輝いていけるよう、心から応援しています。



オブザーバー 矢野英子【前半・後半】


 貴重な体験をさせていただきました。遥か西を目指した遣唐使の旅、また、長年関わってきた私ごとの研究の一部ですが、インディゴ染の研究者ジェニー・バルフォア=ポール*氏が辿った貨物船でのインドーイギリス航路の旅に想いを馳せる機会ともなりました。美しい帆船「みらいへ」乗船員の皆様の情熱と貢献、そして、参加なさった市民の皆様と研究者の皆様の熱意による船と海の魅力の洗礼を受けた経験でした。それぞれの地区チームの発表をお聞きして、海洋遺産への純粋な情熱と研究はプロジェクトが目指す市民による大きな知の力につながると確信を持ちました。また、同じ興味を持つ方達が実際に顔を合わせて、寝食とデッキ掃除(!)を共にしたことで、離れた場所にも仲間がいることへの大きな喜びと、さらなる研究への安心につながったと思います。それぞれの地域の歴史や文化に新たな色を加える研究が、地域の方たちにも伝わり、「私も」「私でも」という大きな渦となって、地元の海や川、池や湖そして、その水面下についての興味に繋がっていく可能性を感じさせられる素晴らしい旅でした。それぞれのメンバーの個性や力を合わせて、興味深い研究を楽しんで続けていただけるようお祈りいたします。*Jenny Balfour Paul (2015), Deeper than Indigo, Medina Publishing Ltd


 

オブザーバー レオン・モラー【前半】


During my visit to Kobe University, Japan, 2024, I was invited by Prof Tatsuya Nakada to participate in a research project on Underwater Cultural Heritage in Japan. I was very excited to participate in the research voyage on board the Miraie (formerly known as Akogare, built in 1993 in Osaka, a Japanese flag ship).


We took the train from Kobe, Osaka to Onomichi, Port city in southwest Honshu where we boarded the Miraie vessel, a tall sail ship, and were joined by a group of participants from various prefectures along the coastline.


From the start, it was a great pleasure to meet all participants, and I was happy to join in all activities on board the ship. The project involves the engagement with local communities, and I was impressed with interesting presentations from all participants who represented their local prefectures.  The groups consisted of residents from local communities along the coastline including Kyoto, Osaka, Kure, Etajima, Yamaguchi, Kagawa, Ehime, Tokushima, Oita, Okayama, Nara, etc. The focus of the presentations was on the relevance of underwater cultural heritage in their respective areas and included information collected from the sea and seabed. The proceedings were expertly chaired by Prof Tatsuya Nakada (Kobe University), and other scholars including scientists also took key roles. As the only non-Japanese participant I was made to feel very welcome from the start, and I could easily communicate with all participants in English. I managed to follow the Japanese presentations with the assistance of several participants who willingly translated the Japanese into English for me. It was also not difficult to join in discussions with the local participants who welcomed me spontaneously into their groups. The crew on board were very professional and we participated in several exercises on board the vessel including hoisting the sail and cleaning the deck. We took our meals in the main dining area, and we also ate a special meal which the sailors from many years ago would have eaten. The anchor was dropped around 10pm and most of us retired to our bunk beds.


The next day after breakfast we sailed to Okayama Port where the ship berthed, and we disembarked. A new group embarked for the second part of the journey. I said my good-byes to all new friends.


We took the train from Okayama to Osaka, where I spent the night. Early the next morning, I took the train to the airport for my flight from Osaka airport to Tokyo airport and from there by Japanese airways to London, Heathrow airport, where I took a flight to Edinburgh Airport and finally the Scotrail train back to Aberdeen.

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